アートソーシャルアントレプレナー、中村暖という男。


京都に雪が降った日。

ワークショップ3.0も、雪化粧した清水寺も素敵でしたが
正直それよりも暖かく、心惹かれる出来事がありました。

出会ったのは、中村暖くん。京都造形芸術大学の1年生だ。

Twitterでこんなことをつぶやいてたら、お気に入りに登録してもらった。

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これをきっかけに、お礼とともに以前、佐賀の唐津で開催されたイベントに参加し
彼の絵に手形を押したことを伝え、お会いしたいということを送りました。

すると快く引き受けてくれたので、SDSの3人組、鈴木君といつきちゃんをお誘いし
雪の降った京都の朝、河原町三条にある六曜社にてミートアップしました。

僕はと言えば、朝から雪の中を撮影しに行っていたこともあって
全身モフモフの黒づくめといった感じだったので、さぞかし怪しんだだろうと思います。

 

■暖くんに会って、活動を聞いてみたいと思った理由。

彼に注目をしたきっかけは、先日行われたファンドレイジング・日本 2014にて
彼が「最年少講師」として登壇したことを記事で見たからでした。

僕は参加できなかったのですが、多くの友人が参加しており
今年の大賞には、仲間である京都地域創造基金が功績を認められ大賞を受賞。

そのなかで、彼に会ったことがある。ということともに
同郷でありながら、現在は京都に住んでいるということを知り話を聞きたかった。
そんな折、Twitterで見つけてもらうという運が舞い込んだわけです。

 

■佐賀県出身の18歳。高校時代の取組みとは

今回、彼には何も伝えていなかったのですが
さすが場慣れしている&アーティスト、しっかりポートフォリオを準備してくれてました。

そして、図々しくも、先日のFRJ2014で登壇した際に話をしていたことに近いことを
六曜社の喫茶店の中、年上3人組に熱く語ってくれたのでした。

まずは、これまでの彼のプロジェクトの書き起こしから。

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16歳(高校1年生)の春休みに、佐賀県の海外使節団に参加して、世界一周へ。
その際、訪問先のイスラエルで、東日本大震災が起きたことを知ったということだった。

そのイスラエルでは、1日前にいた場所でテロがあるなど、色んな危険も潜んでいたとのこと。

そんななか、自分に何ができるんだろうと悩みながら、ニューヨークの国連本部にいったときに
チェルノブイリ原発事故の絵を見て、「ここに心を温かくする絵を置きたい」と思った。

帰国後に、「絵画で日本を一つに」をテーマに、大きなキャンバス(縦112cm、横145.5cm)を
自身で担いで日本各地を冬休みなどの長期の休みに青春18切符や夜行バスなどを使って巡り
出会った人と一緒に絵を描きあげていく作品作りを始めた。

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400名以上の方に参加してもらった。被災地へのメッセージを書く方もいれば
キスマークを付ける人もいた。被災地では緑色の稲や青空を描く人がいた。

そして、不思議の絵の中央にはオレンジやピンクなどの暖かい色が集まったので
「日の丸」をイメージして、赤と白の絵の具を重ねていった。

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絵ができあがってくるとともに、ある画家との出会いから始まり
佐賀の県立美術館で自身の絵とともに、この画家の作品とのコラボ個展を開催した。

その画家が、世界的に著名な日本画家・千住博さんだったのだ。

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これだけ有名な画家の作品を展示する個展には、もちろん多額の費用が掛かったが
彼はなんと活動資金を「授業の休み時間」に自転車で企業を回って集めたとのことだった。

そうして開催した展示会には、佐賀だけでなく東京や東北からも足を運んでくれる人がいたとのこと。

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これが、彼が2年前から取り組んだ実績であり、昨年のファンドレイジング大賞特別賞受賞の取組みです。

 

■とにかく資金調達は「大変の連続」だった

彼と2時間ほど話をさせて頂く中で、一番多く聞いた言葉は「大変」だった気がします。

大人に出会ったら「どうやったらうまく資金調達できるの?」「そのノウハウを教えて」という
効率的であり、自分にもできるようなノウハウを求められるという。

確かに、それだけの実績を残した彼からエキスを吸いたくなる気持ちは同じ。
ただ、彼はそれに対して、直球的に「大変」という言葉を連呼して伝えてくれました。

左が中村暖くん(18)、右は今年の大賞「京都地域創造基金」の鈴木くん
左が中村暖くん(18)、右は今年の大賞「京都地域創造基金」の鈴木くん
 

このときに感じたことは、いつから僕たちはどうやればうまくいくのか。
このプロジェクトを効率的に効果的にするには、どう考えればいいのか。

そういうノウハウ・スキルを磨くことにかまけてしまって
本当に大切なことを疎かにしているんじゃないかという気持ちになりました。

大きなキャンバスを持っての移動も、それを持っているためトイレにいけないことも
荷物が大きすぎてタクシーに乗れないことも、時間がないから休み時間に企業を回ったことも
彼にとってはどれも「大変」なことだったんだと。

この話を聞いて、日本にいるファンドレイザーと大人達はどう感じたのか。
少なくとも、僕には、これこそ軸に持つべき心構えだと思いました。(営業のときと一緒の気持ち)

 

■ただの猪突猛進ではなく、実は分析屋でもあるアートソーシャルアントレプレナー

そして、最も食いついてしまったポートフォリオはこれ。

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彼は、アーティストとしてメッセージを届けていくことだけではなく
自身の活動が社会に対してどういった価値をもたらしているのかについて
ビジネスモデルキャンバスを使って、振返り整理をしていたのだ。

このビジネスモデルについても、最近では思考のなくなっていたり
3万円ビジネスのアイディア出しのときにしか使えていなかったので
こういったNPO分野での活動でも活用することを、再認識しました。

いやーこれは、ほんと、3人とも驚きました。

 

■アートはコミュニケーション

彼からもうひとつ、キーワードが出てきた。
それが「アートはコミュニケーション」だということだ。

人の対話やコミュニケーションを活動領域としてコミュニティつくりを行う
僕にとっては、共通の言語が出てきたことを嬉しく思った。

そしてこれまで、なかなか「アート」との関係性を自身の中で産めずにいたが
今年に入ってからは少しずつ縁が出てきており、ワクワクしてきたのでした。

さらに、ちょうど同じタイミングで『アート作品リースシステム』が
京都造形芸術大学美術工芸学科発案により開催されるようです。

Artoteque(アルトテック)』

先進諸国の中で最も美術館に行く人口が多いにもかかわらず
最も作品を買わないという特殊な現状が日本では起こっており
京都の地から芸術に親しむ国を再生させたいという想いと
これにより若い学生やアーティストの作品をリースというカタチで親しみ
支援をしていこうという試みということです。
(※知人のまきまどから教えてもらいました)

 

■講演や制作活動の場を、サポートしてくれる仲間を全国で募集中!

これだけの活動の話を聞いて、これから暖くんが取り組むことは是非応援したいと思ったし
僕も彼の思いやメッセージを、色んな知人に届けられればって思いました。

だから勝手ながらも、暖くんにそういった場を作ってくれる仲間がいれば
紹介させてもらいたいなーと思っておりまっくす。

若いからと侮るなかれ。本当に素敵な男なので、是非よろしくお願いいたします。
※京都でも、彼に話してもらえる場をつくりますので、ご興味ある方はコンタクトください。

だんちむ

って、ついつい熱くなって書きすぎてしまった。
最後まで読んでくれた皆さん、ありがとうございまーっくす♪

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(略歴)
1995年、神埼市生まれ。佐賀北高校芸術コースに在学中、東北の被災地などをまわって作品を制作。
昨年、資金調達に成功した社会起業家らを評価する「日本ファンドレイジング大賞」で特別賞を受賞した。
現在、京都造形芸術大学の1年生。

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■2012年4月1日のブログ
http://kaigaishisetsudan.sagafan.jp/e490718.html